この連載の記事は、少し「厳しい」内容になっています。誰にとって厳しいのか？それは、我々施術家にとってです。最近、効果的な広告手法やマーケティングがもてはやされ、体の痛みやトラブルで悩んでいる患者さんのことをしっかり考えて臨床に携わる施術家が少なくなってきているように思います。

あなたが先生を選ぶとき、そのような先生にお願いしないようにしっかり役立てていただけるようなものが必要だと思いこの記事のコーナーを設けました。

いま流行りの手技？

プロの施術者は、高度な専門知識と高度な技術、そして1人1人の状態に合わせて、必要な手技を選択できる判断力を有しています。更に、研究情報や新しい発見など情報収集を怠らず、自己研鑽の努力を惜しみません。単純に流行りの技術を取り入れるというような自己満足は、患者不在の技術者のエゴに過ぎないと考えます。

多くの施術院がいま流行りの手技を取り入れようと、筋膜リリースが流行れば「筋膜リリース」を連呼し、トリガーポイントが流行れば「トリガーポイント」を連呼し、仙腸関節が流行れば・・・という風になってしまっています。

これは大変残念は風潮です。

本来、手技には流行り廃りがあってはいけないものなのです。

必要な手技を、必要な箇所に必要な力と分量だけ施術することが正しいことで、流行っているから、その手技をおこなうとか、その手技が全てかのように表現することはおかしなことなのです。

普段から、適切に手技を行なっている先生は、流行っているからと声を大にしてアピールすることはありません。必要であれば使うし、必要でなければ使いません。ただそれだけ。患者さんに対してベストなことを行う努力をし続けるだけ。わざわざそのことだけをアピールする必要もないのです。

流行りに合わせて、声を大にしてアピールしている人は、今までその手技をおこなってこなかったのかもしれません。流行ったから始めたのであれば、技術は未熟でしょう。

我々は施術院にも営業活動は必要だと考えています。なぜなら痛みなどで困っている人の助けになるための技術を届けるためにです。

しかし、このような流行りの手技をアピールするためだけのマーケティングは不要だと考えます。それは患者さんが不在の考え方だからです。

患者さんには自分の状態を正しくチェックしてくれて、自分に必要な施術をしてくれる施術者が必要だと考えます。

有害なマーケティングによって、患者さんが無駄なことや不必要なことをされたり、逆に必要な施術をやってもらえなかったりということを防ぎたいのです。

また、患者さん自身がこのようなことに惑わされることなく、正しい判断ができるようになることを願うとともに、サポートする活動もおこなっています。